就労継続支援A型事業所はなぜ囲い込むのか?
皆さんは障害者がどういうところで働いているかご存知でしょうか?
障害者ではあるけど、一般企業で頑張って働いている方もいらっしゃいますが、全ての方がそうではないのが現状です。
障害者の就労を知る上で重要なのが、今回紹介する「就労継続支援A型事業所」なのです。
〜もくじ〜
就労継続支援A型事業所とは
就労継続支援A型は、障害や難病のある方が、雇用契約を結んだ上で一定の支援がある職場で働くことができる福祉サービスです。障害や病気に理解のある職場スタッフがサポートしてくれるので、安定的な就労が期待できます。
引用:就労継続支援A型とは?仕事内容と給料、利用までの流れを徹底解説! | LITALICO仕事ナビ
ここで重要なのは「雇用契約を結んで働く」という点です。福祉的就労ではありますが、雇用契約を結ぶので最低賃金は確保されます。
「アルバイトやパートと何が違うの?」と思われるかもしれませんが、A型事業所では、障害を持った人しか働けませんので、一般的な企業で働くのとはその環境が違います。
A型事業所ではどんなことをしてるの
障害者と言っても出来ることはその人、その人によって全く異なります。同じ身体障害者でも、年齢や成育歴、周りの環境や就労経験の有無、いつ障害を負ったのか等、一括りにできません。
では、そんな障害者が働くA型事業所ではどんな仕事をしているのでしょうか?
多くの事業所は世間一般で言う「軽作業(内職をイメージしていただいても構いません)」を行なっている場合が多いです。
ただし、A型事業所を経営している親会社の下請作業を任されている場合もありますので、内容は多岐に渡ります。
最近では、軽作業に加えて「インターネットオークションの代行」や「中古ゲームソフトの海外販売」など、事業所毎に何とか収益を上げようと努力しています。
また、A型事業所がカフェや飲食店になっており、そこのホールスタッフとして働いている場合もあります。
A型事業所の給与ってどれくらい?
2015年、厚生労働省から発表された数字は平均月額は6万7795円でした。また、A型事業所の就業時間はおおよそ5時間/日 くらいである場合が多いです。
なぜ囲い込みをするの?
今、A型事業所は利用者が働いて得た収益から給与を支払わなければならなくなっています。
具体的には就労継続支援A型の事業所収益は、訓練等給付(自立支援給付)費、助成金・補助金、そして事業収入が中心になっており、その中でも訓練等給付費をそのまま利用者の給料に充ててしまい、経営がうまくいかない事業所が出てきた為、2017年4月より就労継続支援A型に係る厚生労働省令が改正されました。
生産活動に係る事業収入から必要経費を控除した額が賃金の総額以上となるようにしなければならない旨の規定が設けられ、事業所はこれまで以上に働ける障害者、作業の生産性が高い障害者を求める(採用する)ようになっています。
ですから、A型事業所は採用時の基準や条件を厳しくしている事業所や、中にはA型事業所なのにも関わらず「実習」を求めるところもあります。
※本来、A型事業所は福祉的就労、福祉サービスであるため採用における実習は適切ではないとされています。
「福祉だから稼いでも稼がなくても税金で賄われるんでしょ?」と思っていたあなた!
そんな甘い時代は終わりました。
A型事業所だって稼がないと潰れます。