そのへん。のブログ

福祉経験ゼロから福祉業界へ転職し、社会福祉士の資格を取得した人のブログです。

視覚障害者について その1

さて、

これまで音訳とは?

というお話をしてきましたが

今回はその音訳を必要とする視覚障害者についてのお話です。

皆さんの中で

視覚障害者と聞くと漠然と「目が見えない方」と思う方もいらっしゃるかと思いますが、視覚障害者の方でも様々な状態の人がいます。

「全盲(ぜんもう)」といって全く見えない方、「弱視(じゃくし)」といって、少しは見えるけれど新聞などの文字を読むことは難しい方。また、小さいときからずっと見えないのか、大人になってから事故などで視力を失った方、加齢に伴い視力が低下した方などなど、”見え方・障害が発生した時期(年齢)”によってその方への支援方法は異なります。

また、駅などで白い杖を持って歩かれている人を見たことはありませんか?

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これは「白杖(はくじょう)」といって視覚障害者の方が携帯しているものです。よって、視覚障害は「情報障害」と「移動障害」と言われています。

弱視についてもう少し詳しく説明します。

まず、視覚障害において「身体障害者手帳」が1、2級はまったく見えないか、ほとんど見えない人である場合が多いです。3級以下は弱視の方である場合が多いです。割合としては公式に視覚障害と認められている人の約4割が3級以下にあたる弱視という状況です。弱視についても全体が見えづらい方、視野のある一部分だけが見えにくい方、視野そのものが狭い方など様々ですので、視覚障害者という一括りで障害を捉えようとせず、支援をする際はどこが不自由をしているのか、どう介助したら良いかについてしっかりと聞く姿勢が大切です。

また、視覚障害者と聞いて多くの方が想像するであろう「点字」ですが、これも視覚障害者の皆さんが皆読めるというわけではありません。むしろ視覚障害者の中で点字を読める方は1割程度と言われています。やはり中途障害や中途失明、加齢に伴う視覚障害の発生など、これまで見えていた方にとっては点字は改めて学習する言語の一つのようなものであり、簡単ではありません。逆にいえば9割の視覚障害者は点字以外の他の手段で情報を得ていると言えます。

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ということで、今回のブログ記事のおさらいです。

▼POINT

・視覚障害といっても全盲、視野狭窄など見え方は様々

・視覚障害は「情報障害」「移動障害」とも言われている

・視覚障害者の中で点字を読める人は1割程度、9割が点字以外の方法で情報を取得しようとしている

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